2025/2/23 適応症、適応外
「ロキソニン」よく知られたお薬です。「ロキソニン」はどういった症状に使ってよいか=適応症が決められています。
「ロキソニン」の適応症は
下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
・関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛
・手術後、外傷後並びに抜歯後の鎮痛・消炎
・下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
です。
「ロキソニンS」という市販薬があります。これは「ロキソニン」と同量、同成分です。
「ロキソニンS」の効能・効果は(市販薬は適応症とは言いません)
・頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
・悪寒・発熱時の解熱
です。同じ成分でもちょっと違うんですね。むしろ「ロキソニンS」のほうが使い勝手が良さそうです(笑)。
保険診療では適応症以外に使うことは出来ない決まりになっています。適応症以外に使って副作用が出た場合、副作用救済制度が認められない場合があります。
なので、本当は片頭痛、生理痛や神経痛の病名で「ロキソニン」は出せません。何だか難しいですね。
ついでにもう一つ
「リウマトレックス」というリウマチのお薬があります。この成分は「メトトレキサート」です。メトトレキサートを成分とするお薬が他にもあります。
「メソトレキセート錠2.5mg」といいます。さて、何が違うのか
「リウマトレックス」:適応症 関節リウマチ 1カプセル=2mg 薬価=132.4円
「メソトレキサート錠2.5mg」:適応症 白血病等の悪性腫瘍 1錠=2.5mg 薬価=24.1円
「メソトレキセート錠2.5mg」は抗がん剤です。
リウマトレックス5カプセル、662円はメソトレキセート4錠、96.4円と同じことになります。成分が同じだから安い方を使えばいいと思いますが、適応症の問題で出来ません。
メトトレキサートは関節リウマチの治療薬として世界的に広く使われていたにも関わらず、日本では認可されませんでした。「リウマトレックス」が関節リウマチ治療に認可されたのは1999年のことです。それ以前はリウマチ医は「メソトレキセート錠2.5mg」を関節リウマチ治療に恐る恐ると使用していました。日本のリウマチ治療の闇歴史ですね。