2021/11/14 生物学的製剤の疑問に答えます

2023/3/21更新 新規薬剤ナノゾラ

今使えるバイオ製剤は?

皮下注射
TNF系=エンブレル(エタネルセプト)、ヒュミラ(アダリムマブ)、シンポニー、シムジア、ナノゾラ
非TNF系=IL-6系(アクテムラ、ケブザラ)、オレンシア
点滴
TNF系=レミケード(インフリキシマブ)
非TNF系=IL-6系(アクテムラ)、オレンシア

*(  )はバイオシミラー=いわゆるジェネリックのようなもの

はじめてバイオを使う場合
 バイオの利用はMTXで効果不十分な場合、病状が重度で進行が速いと予測される場合です

・MTXが使える場合:①TNF系 ②非TNF系
 ・MTXが使えない場合:①非TNF系 ②TNF系(ヒュミラ、レミケード除く)*アクテムラお勧め
 ・自己注射が出来ない:通院可否で考える。毎週通院できればエタネルセプトでも構わない。シンポニー、ナノゾラ(4週に1回)、ヒュミラ、アクテムラ(2週に1回)
 ・CCP抗体が高い:オレンシア??他でも全く構わない(業界内のマニアックな話)
・妊娠計画中、妊娠中:(銘柄指定)エタネルセプト(エンブレル)、シムジア
・バイオシミラー(ジェネリック)がある(費用負担減):インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ

すでにバイオを使用している場合
 ・先行バイオがTNF系なら非TNF系を、非TNF系ならTNF系へ

アクテムラとケブザラ どっち?
 ケブザラは完全ヒト型、アクテムラは90%ヒト型。なのでケブザラはアクテムラよりも理論上副作用が少ない、2次無効が少ない(と言われている)。
しかし実際は差はほとんどない。(アクテムラが2次無効、副作用が出た→ケブザラに変更するのは有り)

ケブザラ49,048円、アクテムラ32,608円(この差は大きい)*あえてケブザラを選ぶ理由ないかも、、
*完全ヒト型だと、中和抗体ができにくい(中和抗体が出来ると効いていたものが効かなくなります)はずなのですが、
完全ヒト型のヒュミラはMTX服用していないと中和抗体が出来る。理論と実践は違いますね
バイオシミラーはどれだけ違う?
 エンブレル50mgペン 23,640円 vs エタネルセプト50mgペン 15,450円
 ヒュミラ40mgペン 60,645円 vs アダリムマブ40mgペン 39,828円
ナノゾラ 新規バイオ製剤
TNFα阻害薬(エンブレル類似)です。ナノボディと言って、分子量が小さくなり、1回の注射で4週間効果持続するようになっています。
また、注射液量が0.375mlと同等の製品となるエンブレル1ml、シンポニー0.5mlより少ないので注射時の痛みが少ないと思います。
発売開始2022年11月16日から1年間は自己注射は出来ません(要通院) 薬価は112,476円です。