何故、風邪をすぐに診れないのか

「風邪気味なのですが、診てもらえますか?熱はありません」よくご相談を頂きます。
・今日は熱はないが、昨日は熱があった→コロナでした
・受診した時は熱がないが、その夜に熱が出た→コロナでした
・ごく普通の風邪→コロナでした
私が診てきたコロナの患者さんです。コロナ=肺炎ですが、最初から肺炎というのは逆に稀です
私が見落とした患者さんもいらっしゃいます。熱と下痢で、食あたり?と思った患者さんが、他の先生でコロナと診断されました。痛恨の極みとともに
その後は、胃腸炎であってもなるべくコロナの検査をするようにしました。
要するに、風邪や胃腸炎の症状があれば、熱のあるなしにかかわらず、まずはコロナと疑って対処せざる得ないのです。
コロナの患者さんを診るにあたって、2つ大事なことがあります
1:他の患者さんにうつらないようにすること
2:自分にうつらないようにすること
です。テレビ等で、駐車場やテントなど、外で診察している場面をご覧になったことがあると思います。
コロナの疑いのある患者さんとそうでない患者さんを分けるためです。
残念ながら、当院ではあのような方式を取ることが出来ません。唯一出来ることは、患者さん同士がすれ違わないように
時間をずらすことです。コロナ疑いの患者さんの診察は、防護服を着る準備やPCR検査の時間また診察の後の消毒と十分な換気をするため
30分余りかかります。ですので、当院では通常の診察時間内の合間に風邪の患者さんを診ることが出来ないのです。
「なんだよ、風邪を診ないなんて医者かよ」
こう言われると、実に心が痛みます。
私として出来ることはしております。しかし出来ないことはどうやっても出来ない。ご理解いただけますと幸いです。