2023/06/25 帯状疱疹ワクチン接種費用助成

品川区の制度がわかりづらいので、ご説明します

1.対象者:50歳以上の品川区民のみ (お住まいの区の医療機関のみです)

2.助成金額
(1) 水痘生ワクチン(ビケン)     1回あたり 5,000円助成(1回まで)→当院で実際のお支払いは 総計3,200円になります
(2) 不活化ワクチン(シングリックス) 1回あたり 10,000円助成(2回まで)→当院で実際のお支払いは 総計24,000円になります
*いつまで助成が続くかは公表されていません。少なくとも今年度はあります。

2.事前にご自身で「接種予診票」を申請して頂く必要があります。インフルエンザのように送られてきません。
・電話:03-5742-9152(品川区保健所保健予防課)
・インターネット:帯状疱疹ワクチン予防接種予診票交付申請
接種予診票が届いたら、ご予約のお電話を下さい。

3.申請時に接種するワクチンを決めなければいけません

 生ワクチン
販売名:ビケン
不活化ワクチン
販売名:シングリックス
ワクチンの特徴〇発症予防効果:50~59歳で69.8%、60歳以上の方で51.3%

〇帯状疱疹後神経痛の予防効果:60歳以上で66.5%

〇長期予防効果:1年目では67.5%、2年目には47.2%、8年目には31.8%まで低下

〇副反応の発現率が低い。基礎疾患等により打てない場合がある

〇1回接種
〇発症予防効果:50歳以上で97%、70歳以上で91%

〇帯状疱疹後神経痛の予防効果:70歳以上で85.5%

〇長期予防効果:50歳以上で、10年以上は80%を超える有効性

〇副反応の発現率:注射部位の腫れ、発熱や頭痛などの発現頻度が多い

〇2回接種(2か月後から6か月以内)
接種を受けられない方〇化学療法やステロイドなど免疫を抑える治療をしている方

〇免疫力が落ちている方(HIV感染等)

〇妊娠していることが明らかな方

〇水痘ワクチンによる強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがある方

〇カナマイシン、エリスロマイシンの抗生剤にアレルギー反応を起こしたことがある方

〇明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方や急性疾患にかかっている方
〇帯状疱疹ワクチンによる強いアレルギー症状を起こしたことがある方

〇明らかな発熱(通常37.5℃以上)がある方や急性疾患にかかっている方

要約すると

  • シングリックスは価格は高いが、効果も高い
  • 生ワクチンの効果は高齢者ほど低くなる。70歳以上の方はシングリックスお勧め
  • 生ワクチンは5年ごとの接種が必要(アメリカでは生ワクチンは販売中止になっています
  • シングリックスは接種後の副反応も強い(ただし、他のワクチンで熱が出たから、シングリックスでも熱が出る。とは言えません)
  • 免疫低下、免疫低下を来す薬(ステロイド、メトトレキサート、バイオ、JAK阻害薬、抗がん剤)を使っている方はシングリックスのみ
  • 助成があるので、シングリックスのほうが費用対効果は良いです
  • どちらにした方が良いか迷われる場合はお電話でご相談ください

その他

Q1:以前に生ワクチンを接種しました。どうすればいいですか?
A1:5年以上経過していれば、水痘生ワクチンの再接種、もしくは水痘生ワクチンから8週間経っていればシングリックスを接種することが出来ます。今回、費用助成がありますから接種可能であればシングリックスを検討してください。
Q2:帯状疱疹にかかったことがあります。どうすればいいですか?
A2:帯状疱疹後にどのくらい間隔をあけてワクチン接種するか?については決まりはありません。米国CDCは帯状疱疹の急性期の接種は避けるよう勧告しています。一般的に一度罹ると、3年間位は免疫が続くと言われています。

そもそも、帯状疱疹とは、、、

  1. 年齢と共に発病率が上がり、合併症も多くなります。
  2. 見た目は「皮膚病」ですが、病気の元は「神経」がやられる病気です。薬を塗っていれば良いものではありません。
  3. 約1割強に神経痛が残り、痛みが強く残る場合も少なくありません
  4. 顔面に出ると失明や髄膜炎、陰部に出ると排尿障害を、その他神経麻痺、脳炎、肺炎と言った合併症を起こすことがあります。

予防したほうがいいです