2024/06/16 保険医の憂鬱 NeW!

「マイナ保険証お持ちですか?」窓口でお尋ねしています。
マスコミからはマイナ保険証を使うと医療機関が儲かる。みたいな報道をされたり、患者様から「そんなの使わないよ!」と半ば叱責を頂戴する事があるのですが、こちらからすれば「とんでもない!保険医の役目として、当局からそうしろと言われているから」とお答え申し上げたい。

「保険医」という言葉をご存じでしょうか?医学部を卒業すると「医学士」になります。医学士は診療は出来ません。医師国家試験に合格して「医師」となり、診察する事が出来ます。医師になっただけでは保険医療は出来ません。保険医療=保険証を使った医療をするには「保険医」が必要です。「保険医」は卒後2年間の研修を受ける必要があります。保険医療は保険医療機関(保険証を使うことが出来る医療機関)で保険医が診察した場合に限ります(世の中には保険証が使えない、使わない医療もあります。いわゆる「自由診療」です)。

さて、この保険医、実に様々な約束事があります(療養担当規則と呼びます)。で、約束事に反すると最悪保険医取消しになって保険診療が出来なくなります。
「診療報酬不正のため〇〇病院、保険医療機関指定取り消し」なんて報道がありますね?あれです。

マイナンバー保険証を読み取る装置が窓口に置いてありますが、この設置は保険医療機関の義務とされたからです。設置しないと保険医療が出来ません。
冒頭の「マイナ保険証お持ちですか?」もそうです。保険医療機関はマイナ保険証利用推進に努める事となっています。
保険医取消しされないように明日からも「マイナ保険証お持ちですか?」のつぶやきが続きます。ご容赦下さい。