関節リウマチと妊娠・授乳について

  1. 妊娠は計画的に→治療の変更が必要だから。
  2. 妊娠前のリウマチを良い状態にしておくこと。
  3. 「100%安全」な薬剤はありません。安全性と効果のバランスで考えましょう。
  4. 妊娠中のリウマチ症状が軽くなるのは約6割。
  5. 男性も注意が必要なお薬があります。
  6. 当院で良く使われるお薬に限って取り上げています。
鎮痛薬妊娠授乳
アセトアミノフェン(カロナール)*1
非ステロイド系鎮痛剤(ロキソニン、セレコックス等)*2×
ステロイド(プレドニン)

*1:頻回に服用するならば、ステロイドのほうが良い
*2:貼り薬も避けた方が無難。モーラステープは妊娠28週以降は禁忌

抗リウマチ薬妊娠授乳
アザルフィジン*1
リマチル*2
メトトレキサート(リウマトレックス)*3××
タクロリムス(プログラフ)

*1:男性は妊娠計画の3か月前に中止 
*2:有害な報告はないようだが、データーが少ない
*3:男女ともに妊娠計画の3か月前に中止

生物学的製剤*1妊娠授乳
抗TNF抗体製剤*2
エンブレル・シムジア

ヒュミラ・シンポニー
アクテムラ*3
オレンシア*4△~×△~×

*1:妊娠末期まで使用した場合は、乳児の6ヶ月までの生ワクチン(BCGやロタウイルスワクチン)の接種を控えた方が良い。
早産児(37週未満)には投与中の授乳は避けた方が良いかも。
*2:妊娠全期間において使用可能。実績が多いのはエンブレルとシムジア。

*3:おそらく安全。ただデーターが少ない。
*4:データーが少ない。積極的には推奨できない。治験では最終投与10週間経過すれば妊娠可。

JAK阻害薬妊娠授乳
ゼルヤンツ××

 

参考サイト

  • 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」(https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/qa_ninshin.html#q5)
  • The EULAR points to consider for use of antirheumatic drugs before pregnancy, and during pregnancy and lactation(http://ard.bmj.com/content/75/5/795.full.pdf
  • The Organization of Teratology Information Specialists(https://mothertobaby.org/)