アメリカリウマチ学会から出されている「リウマチ患者さん向けの新型コロナワクチン接種のガイダンス」は逐次更新されていて、2022/2/2に最新版（第5版）が発表されておりました。治療薬との兼ね合いについては大きな変更はなかったようです。

治療薬接種前後の注意点
アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症剤接種24時間前から服用中止。接種後の服用は構わない
ステロイド（プレドニン）特に変更なし
サラゾスルファピリジン（アザルフィジン）
タクロリムス（プログラフ）
アザチオプリン（アザニン）
メトトレキサート（リウマトレックス）
JAK阻害薬（ゼルヤンツ、オルミエント、リンヴォック）
アバタセプト（オレンシア）		接種後１～２週間は服用ないし投与中止（症状再燃がない限り）
その他の生物学的製剤＊１明確な指針はなし＊２

＊１：抗TNF製剤（エタネルセプト、ヒュミラ、シンポニー）、IL-6阻害薬（アクテムラ、ケブザラ）、IL-17阻害薬、IL-12/23阻害薬、IL-23阻害薬

＊２：「明確な指針なし」とは、接種後の中止、継続はその方の病状との兼ね合いで決める。ということでしょう。
当院では、ワクチン接種後１週間以内投与を中止する事が多いですが、リウマチ活動性が高く、中止で病状悪化が予想される場合には、通常通りの投与スケジュールを指示する場合もあります。

ワクチン接種前の投与についてはアバタセプト点滴、アセトアミノフェンと非ステロイド系抗炎症薬を除いて、この指針中に記載が見当たりません。
当院で前日、当日の投与についてもケースバイケースです。というのは、接種後の中止があると、使用製剤によっては、計２回中止になるからです。やはり、その方の病状によって判断しています。

その他
３回目ワクチン接種の銘柄については、ファイザー、モデルナのいずれでも構わないとなっています